税理士事務所の料金に潜む罠|税理士事務所の選び方
税理士事務所をホームページを探して決める経営者が増えてきています。
その事務所選択の際、気になることの一つが料金です。
ほとんどが、記載がないか、あっても「顧問料、月額20,000円~」などの表記になっています。
同じ税理士事務所として、このような表記がされている場合、年間の支払いはいくらぐらいになるかを解説します。
1 税理士事務所が受託する手続き
3月決算の法人の例です。
(前提)
小規模な法人
・源泉所得税の納付は半年に1回
・法人税の予定納税あり
・消費税の予定納税は1回
・3月決算法人
月 | 手続き名 |
1月 | ・源泉所得税の納付(納期特例) ・法定証書合計表 ・償却資産申告 |
3月 | ・社長等の所得税確定申告 |
5月 | ・法人税・消費税申告(決算申告) |
7月 | ・源泉所得税の納付(納期特例) |
11月 | ・法人税・消費税予定納税 |
12月 | ・年末調整 |
その他 | ・帳簿書類の作成(記帳代行) ・届出書・申請書 ・税務調査対応 |
他にも様々な業務がありますが、単発のイベントを除けば、このようなスケジュールです。
2 顧問料 月額20,000円~の罠
税理士事務所のホームページで掲載されている「顧問料 月額20,000円~」は、あくまでも顧問料であって基本料金のようなものです。
したがって、「1 税理士事務所が請け負う手続き」で示した手続きは、別途料金が発生します。
【代表的な罠】
・5月 法人税・消費税申告(決算申告)
これが、顧問料の4ヶ月分~6ヶ月分の請求があります。
・帳簿書類の作成(記帳代行)
領収書等の数が多い場合、顧問料と同じぐらい請求があったりします。
安い場合で領収書等1件あたり20円~50円ぐらいで、100件10,000円という請求などもあります。
・顧問料 20,000円~
年間の売上が1千万円以下の、一人で経営している事業者などの料金相場です。
規模が大きくなれば、最低料金は参考にならないぐらい金額が違います。
・その他の料金
金融機関対応、事業計画・経営計画、資金繰り表なども、別途料金が発生します。
3 年間の想定料金
顧問料20,000円/月の場合、その20ヶ月から25ヶ月分ぐらいを想定しておく必要があります。
20,000円✕20=400,000円 から
20,000円✕25=500,000円 まで
これぐらいの料金が発生します。
20,000円✕12ヶ月=240,000円
これでは絶対に済みません。
上記のイメージで、年間の報酬を予想してください。
可能であれば絶対にしてほしいことは、事前に、顧問料に含まれる業務と、年間にかかる料金を確認することです。
ネットの料金相場や、税理士事務所がやってくれる業務内容に対する記事などをよく拝見しますが、あまり参考になりません。
それぞれの税理士事務所で料金体系があまりにも違うからです。
ちゃんと決めていなくて、その都度料金を設定する事務所すらあります。
以上を踏まえて、税理士事務所を選択しましょう。