経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)が改正されそうです。※使い勝手が悪くなります
課税の繰り延べ手段として使い勝手が良かった経営セーフティ共済が、少し使いにくくなりそうです。
具体的には、経営セーフティ共済を解約したら、その後2年間は、再加入しても経費にできなくなるという改正です。
経営セーフティー共済の概要
経営セーフティ共済は、取引先が倒産した際に、無担保・無保証人で掛金の最高10倍まで借入れができ制度で、中小企業の連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐことが目的です。
共済掛金は、全額経費になり、加入から一定期間経過後は、解約しても全額払い戻してもらえるので、課税の繰り延べの手段として広く活用されています。
制度の名称通り、中小企業の倒産を防止するための制度ですが、課税の繰り延べに利用されるすぎたので、改正されることになりそうです。
詳しくはこちら → 中小機構 経営セーフティ共済
令和6年度税制改正大綱
2023年12月22日に、税制改正大綱が閣議決定されました。
税制改正大綱とは、簡単にいえば、翌年度以降の税制改正案です。
経営セーフティ共済については、解約後2年を経過する日までの間に支出する共済掛金は、経費にできないこととなりました。
ここで注意しなければならないのは、加入できるということ。
加入はできるが、経費にはできません。
この改正は、2024年10月1日以後の解約から適用されます。
興味がある方はこちら(P62) → 令和6年度税制改正の大綱
「節税」と「課税の繰り延べ」
節税といえばわかりやすいのですが、「節税」と「課税の繰り延べ」は丁寧に使い分けをしています。
・節税は、納める税金を減らすこと(永久的に)
・課税の繰り延べは、納める税金を先延ばしにすること
経営セーフティ共済は、解約の際に戻ってきた解約返戻金が収入となります。
ですので、課税の繰り延べなのです。
いずれ課税されます。
細かい話をすると、利益が増えるにつれて、税率が高くなるので(法人税は少しだけ、所得税は大幅に高くなる)利益がたくさん出たときに掛金を払って、利益がないときに解約すれば税率差の分だけ税金は減ります。
ですが、そんなに上手いことコントロールできるものではありません。
経営セーフティー共済のシミュレーションをした記事も、よければ御覧ください。