売掛金の管理、回収サイトは重要です。
経営する上で、売上を作ることはとても重要です。
ですが、ただ売り上げるだけではお金は増えません。
売掛金の回収が大切です。
売掛金の回収漏れや、回収の遅延は会社にとって命取りになることがあります。
今回は売掛金の回収サイトと資金繰りについて解説します。
1 売掛金の回収サイト
回収サイトとは、商品の引き渡しやサービスの提供をしたあと、入金がされるまでの期間です。
例えば、8月締めの10月入金の場合は、回収サイト2ヶ月です。
取引先によっては、この回収サイトが6ヶ月という場合もあります。
あまりにも長い場合は、取引先に交渉して回収サイトの短縮をお願いする必要があります。
「下請代金支払遅延等防止法」という法律があり、一定の保護はありますが、下請事業者という立場上、何かと難しい面があります。
2 原価、経費の支払いサイト
支払いサイトとは、商品の受け取りやサービスの提供を受けたあと、支払いまでの期間です。
水道光熱費や通信費など販管費については、概ね1か月以内です。
地代家賃については、ほとんどが翌月分を当月末に支払う前払いです。
3 資金繰りの問題
回収サイトが長く、支払いサイトが短い場合、資金繰りが苦しくなります。
特に注意すべきは、開業当初です。
売上を作るまでに時間を要する上に、回収サイトまで現金が入ってきません。
一方、原価や経費は毎月発生します。
例えば、開業後4ヶ月後から軌道に乗り、会社の固定費を維持できる利益が発生するようになったとします。
回収サイトが2ヶ月の場合、入金が安定するのは、開業から6ヶ月後です。
毎月の固定費が100万円だとしたら、最初の入金まで6ヶ月分(600万円)の資金が必要になります。
さらに、在庫が必要なビジネスの場合は、固定費以外にも商品の支払い代金を支払う必要があります。
そういった状況を踏まえて、創業計画書を作ります。
自己資金で不足する場合には、その創業計画書にもとづいて融資を受けましょう。
創業計画書や資金繰りがどれだけ重要かがご理解いただけると思います。
4 売掛金の管理
売掛金の回収漏れや、回収遅延、回収サイトを正確に管理する必要があります。
具体的には、Excelなどの管理表を作成します。
期首繰越、発生、入金、翌月繰越の単純な表ですが、これが重要です。
記載例は、いずれも回収サイトが2ヶ月です。
㈱○○○は11月に9月売上の回収が済んで、繰越額が0円になっています。
一方、△△△㈱は期首繰越300,000円のうち、9月に150,000円の入金がありますが、その後入金がないのが分かります。
10月発生分600,000円と期首繰越のうち未収分150,000円の合計が、11月末の残高になっています。
このようにして、各取引先の売掛金残高を確認します。
簡単な表ですが、活用してみてください。
(掛管理表)
(参考)
(投稿者)
徳田貴久税理士事務所
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