マイホームを売却した場合|所得税

高齢であったり、身体が不自由になったりといった理由などで、マイホームを売却して子と一緒に住むことがあります。

その場合、マイホーム(土地・家屋)を売却して所得が発生すると所得税の申告が必要になります。

マイホームについては、事業が給与などの他の所得とは、区別して計算します。

1 所得の計算

譲渡所得=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-3,000万円

(1)取得費

マイホームの購入金額と購入にかかった費用です。建物部分については、所有期間中に減少した価値を計算して差し引きます(減価償却費)。

購入したときの明細がない場合など不明である場合や、実際の取得費が譲渡価額の5%よりも少ないときは、譲渡価額の5%を取得費とする概算取得費という取り扱いがあります。

(2)譲渡費用

仲介手数料や契約書の印紙、建物の取壊し費用などです。

(3)3,000万円(居住用財産を譲渡した場合の特別控除)

マイホームに住まなくなってから3年を経過する日の年の12月31日までに、マイホームを売却した場合には、細かい要件がありますが、売却益から3,000万円を控除することができます。

2 税額の計算

保有期間や、譲渡所得の金額に応じて税金の計算が異なります。

所有期間譲渡所得所得税住民税合計
5年以下関係なし30.63%9%39.63%
5年超6,000万円以下の部分10.21%4%14.21%
5年超6,000万円超の部分15.315%5%20.315%

5年以下の短期所有でマイホームを売却した場合、所得税と住民税を合わせると39.63%の税金が課税されます。

5年を超えて所有した場合は、6,000万円以下の場合は14.21%です。

6,000万円を超える場合は次のように計算します。

(例)7,000万円の譲渡所得が発生した場合

(1)所得税

(7,000万円-6,000万円)✕15.315%+6,126千円=7,657,500円

(2)住民税

(7,000万円-6,000万円)✕5%+240万円=290万円

(3)合計

10,557,500円

いかがでしょうか?

特に税金の負担が多くなるのは、購入金額がわからない場合です。

3,000万円で売却した場合、3,000万円の5%、わずか150万円しか取得費として認められず2,850万円が課税の対象になります。

これ以外の方法も、なくはないのですが・・・

国税庁の「建物の標準的な建築価格表」や、日本不動産研究所の「市街地価格指数」など、合理的な概算取得費の計算が想定されます。

ですが、これらを使用するのは、かなりの理論武装が必要になります。

(参考)

国税庁

マイホームを売ったときの特例

譲渡所得の計算のしかた(分離課税)

短期譲渡所得の税額の計算

長期譲渡所得の税額の計算

(投稿者)

税理士 徳田貴久

徳田貴久税理士事務所

熊本県熊本市中央区大江6丁目20-6-2F

問い合わせ tokuda@tokudaoffice.com

徳田貴久税理士事務所
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