クレジットカード決済の売上から手数料等を天引きされて入金された場合は、売上と経費をそれぞれ仕訳する|確定申告の注意点

近年キャッシュレスが進むにつれ、クレジットカードでの支払は増え、現金のみ取扱いで商売することが難しくなってきました。
結構クレジットカード決済手数料が高くて大変です。
とはいえ、クレジットカードはDXには欠かせないものです。

今回は、クレジットカード決済の売上高から、決済手数料が天引きされた取引について、正しく処理しなければ起きてしまう問題を說明します。

税理士 事務所 熊本

1 概要

クレジットカードで1,100万円売り上げて、決済手数料110万円を差し引かれて990万円の入金があった場合

× 普通預金 990万円 / 売上高 990万円

○ 売掛金 1,100万円 / 売上高 1,100万円
  手数料 110万円 / 売掛金 110万円
  普通預金 990万円 / 売掛金 990万円

×間違いのケース
手数料を認識せず、受取額990万円を売上とした

○正しいケース
売上1,100万円と手数料110万円を、両方認識した

2 消費税の納税義務

消費税の納税義務の判定を誤る可能性があります。

消費税は、原則、2年前の事業年度(個人の場合は1~12月、法人の場合は事業年度など)の売上高が1,000万円を超えたかどうかで納税義務の有無を判定します。
手数料を天引きして990万円を売上高とした場合、消費税の納税義務がないと判定してしまいます。
消費税の納税義務の有無は、売上高の総額で判定しなければなりません。

3 消費税の簡易課税制度

消費税の簡易課税制度の適用の可否判定を誤る可能性があります。

簡易課税制度とは、事業の種類に応じて一定の割合の消費税を納税する制度です。
文字通り簡易な計算になっており、小規模事業者が簡単に消費税を計算できるように設けられています。
この簡易課税制度の適用の可否判定にも、原則、2年前の事業年度の売上高を使います。
適用の可否は、売上高が5,000万円以下かどうかで判定します。

納税義務と同様、適用できないのに簡易課税制度で計算してしまう可能性があります。

4 その他の問題

クレジットカード決済に限らず、入金額から天引きされることはよくあります。
例えば印紙代を天引きされた場合など、消費税の取り扱いが変わります。
通帳の入金・出金だけで処理するのではなく、請求書や明細書等を確認しておくことが大事です。

他にも取引先から経費の支払と相殺される場合などもあります。
事業の業績を正確に把握する面からも、正確な帳簿書類の作成が重要です。

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