賃貸マンション買う相続対策のしくみ

相続財産の評価について、業界がざわつく2022.4.19の最高裁判決がありました。

賃貸マンションについての評価で、国税庁が示している方法で評価したが、その評価額があまりにも実態と乖離していたのが問題視された案件でした。評価額は3億3,000万円から12億7,000万円に修正され、約3億円の追徴税額が発生しました。

この裁判は極端な乖離だったので、問題になり、結果として裁判で納税者は敗訴しました。

では、そもそも、なぜこのようなことが起きるのか。

賃貸マンションの評価について簡単にまとめます。

1 お金を2億円持っているときの評価額

だれでもわかりますが、相続税の評価額は2億円です。

2億円の相続税は、ケースによりますが3,000万円ぐらい。

2 土地建物の評価額

相続税の評価額は実際の取引価格80%程度になると言われています。

ですから、2億円で1.2億円の土地を購入し、0.8億円の賃貸マンションを建築した場合の評価は、現金で2億円持っているときと比較すると大きく減少します。

① 土地

土地の評価に関しては、相続税評価は実際の価格の8割ぐらいの金額になると言われています。

ですので、まず購入しただけで評価額は0.96億円に減少します。

さらに、賃貸マンションの土地は、貸家建付地といって、評価を低くします。

貸家の敷地は、貸している土地で、上に人が住んでいるので利用に制限が加わるからです。

その評価減は商業地か住宅地か、などで変わりますが9%~27%評価減します。

例えば20%評価減の地域の場合、0.96億円✕0.8=0.76億円。

つまり、1.2億円→0.76億円

0.44億円評価を下げることになります。

② 賃貸マンション

賃貸マンションも、相続税評価は8割程度です。

0.8億円✕0.8=0.64億円

③ 結果

2億円の評価が、0.76億円+0.64億円=1.4億円

となるわけです。

1.4億円の相続税は、ケースにもよりますが2,000万円ぐらい。

ですので、相続税が1,000万円ぐらい減少します。

3 まとめ

こういった理由で、賃貸マンションによる相続対策が流行っています。

ですが、賃貸マンションは、収益性に問題があったり注意点は多いです。

一見相続税が少なくなっても、その物件に賃貸人がいなくて全然収入にならなければ最悪です。

さらに、極端な節税は駄目だと最高裁判所で判決されました。

お金がたくさんあると、いろいろなコンサルタントが近づいてきます。

賃貸マンションの資産形成や相続対策が100%悪いとは言えませんが、慎重に判断しましょう。

(投稿者)

税理士 徳田貴久

徳田貴久税理士事務所

熊本県熊本市中央区大江6丁目20-6-2F

問い合わせ tokuda@tokudaoffice.com

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