個人が自動車を売却したときの取扱は状況によって違う

生活に利用している自家用車を売却した場合は、通常、税金の心配をする必要はありません。

しかし、個人事業主が事業に使っていた自動車など、所得税の確定申告が必要なケースがあります。

今回は、下記のついて概要を説明します。

・自動車を売却した場合の取扱い

・所得税の確定申告が必要な場合の計算方法など

1 所得税の確定申告が不要の場合

所得税法で、資産の譲渡をして利益がでた場合には、その種類によって所得税が課税されることとされています。

しかし、所得税が課税されない所得として、生活用動産の譲渡による所得が挙げられています。

生活用動産とは、例えば、家具などの生活に必要な家財、通勤用の自動車、衣類などです。

ただし、貴金属や宝石、書画、骨董品などは、30万円を超える場合、課税の対象となります。

ですから、通常の生活に利用している自動車については、課税の対象となりません。

一方、高級車やキャンピングカーなどは、生活用動産に該当せず、課税の対象となる可能性があります。

2 事業用の自動車の取扱い

事業用の自動車を売却したら、所得税の確定申告が必要になる場合があります。

それは、譲渡所得の金額が50万円を超える場合です。

事業用と家庭用の兼用である場合は、事業に利用している割合で按分して計算します。

反対に、譲渡して損失が出た場合は、事業所得などの他の所得から控除することができます。

また、消費税の納税義務者である場合は、消費税を計算する上で、自動車の売却に係る消費税を事業所得に係る消費税と合算して納税しなければなりません。

3 譲渡所得の金額の計算方法

譲渡所得の金額 = 譲渡価額 - (取得費 + 譲渡費用)- 50万円

取得費:購入費用に、購入手数料や改良費などを合わせた金額です。そこから使用期間にともなう価値減少分(減価償却費)を控除して計算します。

譲渡費用:売りためにかかった費用です。

(1)購入から5年以内に売った場合

譲渡所得の金額が、そのまま課税の対象となります。

(2)購入から5年超えて売った場合

譲渡所得の金額の2分の1が課税の対象になります。

4 所得税の計算方法

譲渡所得の金額を、給与所得・事業所得・不動産所得などと合算して計算します。

ですので、通常時の確定申告に、譲渡所得の分だけ加算されるような感じです。

税率は下記の通りです。

国税庁 所得税の税率 より引用

給与所得や、事業所得などの所得が高ければ高いほど、税率は高くなります。

通常時、1,000万円の所得があった場合、100万円の譲渡所得が発生すると33万円の所得税が増えます。

プラス住民税も約10%あるので、およそ43%の税金がかかります。

まあまあ、課税されますね・・・

(参考)

国税庁 譲渡所得の計算のしかた(総合課税)

国税庁 譲渡所得の対象となる資産と課税方法

国税庁 所得税の税率

(投稿者)

税理士 徳田貴久

徳田貴久税理士事務所

熊本県熊本市中央区大江6丁目20-6-2F

問い合わせ tokuda@tokudaoffice.com

徳田貴久税理士事務所

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