FX(外国為替証拠金取引)の所得税の計算
最近ものすごい円安です。
2022.9.7現在、1ドル=143円台。
びっくりです。
1990年ぐらいの水準ですか?
あまり詳しくありませんが、Google Financeで見る限りは、そのようです。
為替と言えばということで、FXの所得税の計算を復習したいと思います。
1 所得税の計算構造
所得の種類を、性質に応じて10種類に区分します。
利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得、の10種類です。
そして、所得の種類に応じて、それぞれ税金の計算方法が定められています。
ややこしいですが、例えば退職所得などは、生活の老後の生活保障的な収入なので、他の所得より負担が少なくなるように配慮されています。
2 FXは先物取引に係る雑所得等
FXは通常、雑所得に該当します。
雑所得とは、雑所得以外の所得にも該当しない所得です。
要するに「その他」です。
FXは、雑所得の中でも「先物取引に係る雑所得等」に該当します。
「先物取引に係る雑所得等」は、他の所得と区分して、単体で税金を計算します。
正式な名前は「申告分離課税」といいます。
(※例えば、不動産所得と事業所得は合算します。)
具体的な税金の計算は次の通りです。
(1)差金決済で利益が出た場合
所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%の合計20.315%です。
(2)差金決済で損が出た場合
FX以外の「先物取引に係る雑所得等」で出た利益から控除します。
控除しきれない金額は、翌年以後3年内の利益から控除することができます。
3 おわりに
FXの税率は一律20.315%です。
低所得者層からすると高く感じ、高所得層からすると低く感じます。
金融商品に関する課税は、概ね一定税率になっています。
このことから、低所得者層には厳しく、高所得層には有利と言われています。
実際、所得税の負担は、合計所得が1億円で負担率がピークになり、それ以上稼ぐと徐々に低下していくといわれています。
(参考)
国税庁 No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係
DIAMOND online 所得1億円超だと税負担率はこんなに低い、金持ち優遇の実態
(投稿者)
徳田貴久税理士事務所
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