離婚にともなう財産分与等に関する税金
日本では、今日、およそ3組に1組が離婚しています。
離婚の際は、配偶者に対して財産分与が行われたり、養育費の支払いなどがあります。
財産分与については、夫婦で築いた財産なのだから税金はかからなくて当然だと思う人が多いと思います。
養育費についても課税のイメージはないと思います。
ですが、いくつか注意点があります。
1 離婚して財産をもらったとき(贈与税)
通常、財産分与で贈与税がかかることはありません。
ですが、分与財産が事情を考慮しても多すぎる場合や、偽装離婚の場合は贈与税が課税されます。
2 離婚して土地建物などを渡したとき(所得税)
財産分与は基本的に贈与税はかかりませんが、マイホームなどを渡した場合は、所得税がかかる可能性があります。
例えば、所有権が夫で、離婚の際に妻にマイホームを渡した場合は、夫が時価でマイホームを売却したものとして、夫に譲渡所得税が課税されます。
夫は、財産を渡した上に、税金までかかるのです。
なぜに??ってという気持ちはわかりますが、そういう制度になっています。
具体的には、分与をした時の土地と建物の時価が収入金額になります。
そこから、土地と建物の取得費と譲渡費用をを差し引いた残額が所得税の対象となります。
ただし、マイホームの場合は、特例で「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」があり、要件を満たせば適用を受けることができます。
土地建物の時価-(取得費+譲渡費用)-3,000万円>0円
この場合に課税されます。
あとは、所有期間に応じて、税率が変わります。
5年を超えて所有していた場合は、所得税と住民税を合わせて20.315%。
5年以下の所有の場合は、39.63%。
3 養育費(贈与税)
養育費については原則として所得税や贈与税はかかりません。
「扶養義務者相互間において生活費または養育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの」は贈与税の対象としない。
相続税法21の3第1項2号
上記の様に、相続税法に規定されています。
※余談ですが、贈与税は、相続税法に規定されています。
ただし、注意が必要です。
① 一般的な金額を大きく上回るような養育費
② 養育費の一括払い
これらはいずれも贈与税の対象となる可能性があります。
(参考)
(投稿者)
徳田貴久税理士事務所
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