iDeCoで節税と資産形成ってどうなの?
iDeCoって浸透しているようで意外と知られていないようです。紹介をしても知らなかったり、名前だけは聞いたことあるけど、どんな制度かわからないという問い合わせが多いので、ポイントだけまとめてみました。
1 概要
iDeCoは、自分で毎月掛金を支払って、年金を積み立てる制度です。
その掛金を自分で選んだ運用商品(定期預金、保険商品、投資信託)で運用できます。
掛金を60歳になるまで積み立てて、60歳以降に老齢給付金として受け取ります。
運用の成績によって、受け取れる金額が増減します。
2 税制メリット
① 掛金が全額所得控除
掛金全額が所得から引けるので、(掛金×税率)分の税金が節税できます。
【モデルケース】
・年間の役員報酬600万円
・41歳
・独身
・掛金 23,000円/月 276,000円/年
概算ですが、55,200円の節税ができます。
② 運用益が非課税で再投資 複利がすごい
運用益に対する課税(20.315%)が非課税になります。
しかも、長期投資なので複利の効果が絶大です。
年6%の運用益の場合、約12年で掛金が2倍になります。
例えば、運用益6%で200,000円投資した場合は、1年後212,000円になります。
2年目は、212,000円を運用するので224,720円になります。
3年目は、224,720円を・・・
これを12年繰り返すと402,439円になります。
これが複利長期運用のすごさです。
③ 受け取る時も超優遇
一括・分割・併用と受け取り方が自由なのが嬉しいです。
それぞれ課税の方法が違うから上手に受け取って税金を最小限に抑えることもできます。
一括は、退職金扱いになるので、退職金用の計算方法で所得税を計算します。
退職金から一定額を引いて所得税を計算するので、金額によっては無税で受け取れます。
分割は、公的年金の扱いになるので、公的年金用の計算方法で所得税を計算します。
公的年金も、一定額を引いて所得税を計算するので、かなりお得です。
3 加入資格と掛金
原則20歳以上60歳未満の全ての人が加入できます。
自分が加入している年金の区分のよって掛金の上限が決まっています。
例えば、国民年金の自営業者は月額68,000円、厚生年金のみの会社員は月額23,000円などです。
掛金は、最少額5,000円/月で、1,000円単位で設定できます。
4 とても大事な注意点
いい事ばかりのようですが、とても大事な注意点があります。
① 年1回しか掛金の額を変更できない。
途中で資金繰りがキツくなっても年1回しか変更できません。
ただし、掛金を止めることはいつでもできます。
②元本割れの可能性あり
運用するので元本割れの可能性があります。
心配な人は「元本確保型」の商品もあるので、そちらにしましょう。
③支払った掛金と運用益は引き出せない!※最重要
これが最大の注意点です!
60歳にならないと、よっぽどのことがない限り引き出すことができません。
健康な人はほぼ無理です。
小規模企業共済のような貸付制度もありません。
※小規模事業者の節税と資産形成を兼ねた王道の制度 | 小規模企業共済
5 私のiDeCo
証券会社:SBI証券
運用商品:iFree NYダウ・インデックス 掛金の配分割合100%
2017年から始めましたが損益率プラス21.5%です。
(投稿者)
徳田貴久税理士事務所
熊本県熊本市中央区大江6丁目20-6-2F
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